インプラントとは
インプラントとは、厳密には人の身体に埋め込む人工物のことを言います。歯科診療に用いられるインプラントは、「デンタルインプラント」と言いますが、近年は歯科におけるインプラント治療が一般的になっており、単にインプラントと呼ぶことが多くなっています。
インプラント治療とは、歯を失った箇所に人工の歯根(インプラント)を埋入し、歯を補う治療法です。従来は、歯を失った治療法としてブリッジや入れ歯が一般的でしたが、近年はインプラント治療を希望される患者様が増えています。
歯は、目で見える部分の歯と、それを支える歯根から成り立っています。歯を失うということは、それを支えている歯根も失ってしまうということです。「インプラントと差し歯は何が違うの?」という方も少なくありませんが、差し歯は歯根が残っている状態で行う治療であり、インプラントは抜歯が必要になった時(歯根がない)に行う治療法です。
長い期間を見据えた設計と埋入位置
歯を失ってしまった場合、インプラントは、隣り合っている歯・周りの歯にかみ合わせの力を負担してもらう必要がなくインプラント単体でしっかり力を支えられます。そのため、適切な埋入位置や深度に位置付けることができれば長い期間使用でき、周りの歯に負担をかけるリスクが少なく済みます。インプラントは埋入したのちに動かすことができないため、治療計画や先々のプランを立てて熟考される必要があります。
CT撮影による術前プランニング
最適なインプラントの埋入位置を診断・プランニングするためにCTの画像を用いて3Dで解析をします。
サージカルガイドを活用したプランニングを活かした手術
サージカルガイドといって、CTの分析で決定したインプラントの埋入位置や深度が手術の時に再現できるようにするための器具を用います。細かな角度や深さについてプランを立てた通りに限りなくちかづけるために使用します。
低侵襲なインプラントのご提案
旧来の考え方では、インプラントはなるべく長く太いものを埋入するべきだと考えられていました。15mm以上のインプラントを埋入することもありましたが、現在は4mmや5mmのインプラントも登場しています。
短くて太いインプラントや細いインプラントを使用してもお口の中で機能するのに耐えうるということが明らかになってきています。外科的侵襲が少なくなりますので、お体の負担を軽減したい方にお勧めです。
術中術後に配慮した点滴療法
外科手術の際に起こるお体への負担として「菌血症」という状態が挙げられます。健常な方に対しては、術後に抗生物質を内服で処方されることが一般的です。しかしながら、術後数時間してから服用する内服の抗生物質では手術中に起こっている菌血症に対応できません。
かつ、内服の場合は腸内をくぐり抜けるため、腸内環境へ影響がでる可能性が高いです。
点滴により血管内に抗生物質を投与することで術中の菌血症に対応し、腸内環境への配慮ができる形をとっています。
治癒を促す点滴療法
コラーゲン合成の促進やエネルギー代謝の改善などの目的で手術の終わり際に高濃度ビタミンC点滴やマイヤーズカクテル点滴などを行うことが可能です。
術後は点滴が終わるまで、リカバリールームでゆっくりしていただくこともできます。