睡眠時無呼吸症候群治療の新選択肢:歯科医院でのマウスピース療法を解説 新橋の予防歯科・審美歯科・矯正歯科・口腔外科 ヘルシーライフデンタルクリニック
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今日は「睡眠時無呼吸症候群」について詳しくお話ししましょう。
睡眠時無呼吸症候群とは?
まず基本的に、「睡眠時無呼吸症候群」とは、睡眠中に一時的に呼吸が止まる症状のことを指します。睡眠中に何回無呼吸になるかによって、この症候群の重症度が判定されます。解剖学的に見ると、鼻から肺に向かって気道があり、この気道が何らかの理由で塞がることで問題が発生します。
主な原因
欧米では、肥満が主なリスクファクターとされています。しかし、日本人の場合は、鼻の問題や顎の位置、扁桃腺の大きさなども原因として挙げられます。
リスキーな一面
この病気は非常に見逃されやすく、未治療のまま放置すると、将来的に命に関わるような重大な病気に繋がる可能性があります。
治療の選択肢
実は、歯科で用いられるマウスピースがこの症状の改善に効果的であり、将来の病気を防ぐ手段ともなり得ます。
現状の問題点
推定される患者数は約500万人と言われていますが、治療を受けているのはわずか50万人。つまり、約450万人が未治療の状態で日本に存在しています。
なぜ見逃されるのか
多くの人が「眠りが浅い」とか「日中眠い」といった比較的軽い症状で済ませてしまい、特に検査を受けない傾向にあります。
PSG検査:簡易版と精密版
PSG検査には「簡易版」と「精密版」という二つのタイプがあります。
- 簡易版: 患者は装置を自宅で使い、一晩の睡眠データ(無呼吸の回数、循環器的な情報など)を医師が分析します。
- 精密版: これは入院が必要で、より高度な装置を用いて脳波、呼吸、循環器的データなどを詳細に計測します。
費用と選択のボーダーライン
簡易版と精密版では、費用だけでなく、どの程度の無呼吸があれば治療に移行するかという基準も異なります。重症な場合は、医科で治療が行える可能性が高いですが、中等度の場合、治療の介入が難しい場合もあります。
睡眠時無呼吸症候群のリスク
放置していると、高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞などのリスクが高まり、健康寿命が縮む可能性があります。
歯科での治療オプション
実は、中等度程度の症状であっても、歯科で治療が可能です。特に「マウスピースによる治療」が有効とされています。この治療では、下顎を前に出して舌の位置を調整し、気道を確保します。
医科と歯科の連携が重要
日本睡眠学会でも医科と歯科の連携の重要性が議論されています。特に中等度の症状で治療が必要な方々に対して、医科の先生もその情報を知って、適切な歯科医院への紹介が必要です。
CPAP装置よりもシンプル?歯科の口腔内装置
この疾患には、通常CPAP(Continuous Positive Airway Pressure、持続的陽圧呼吸療法)装置が用いられますが、装着感が辛いと感じる人も少なくありません。そういった方にとって、歯科の口腔内装置が有用な選択肢となるケースもあります。
固定タイプと離せるタイプ:マウスピースの選択肢
歯科で使用されるマウスピースには、大きく分けて「固定されるタイプ」と「離せるタイプ」の2種類があります。
- 固定タイプ: 保険適用があるため、初めて治療を受ける際によく用いられます。
- 離せるタイプ: 自由診療になるため、費用が高くなりますが、多くのメリットがあります。
デメリット:固定タイプの制限
固定タイプのマウスピースの最大のデメリットは、顎の位置の微調整ができない点です。これは治療効果の判定に影響を与える可能性があります。また、顎が固定されているため、歯ぎしりをする人には不向きです。
保険適用とエビデンス:日本と海外の違い
日本では保険適用のために固定タイプが使われがちですが、海外では主に離せるタイプが用いられます。そのため、固定タイプのエビデンス(治療効果に対する証拠)は非常に少ない状態です。
まとめ:歯科医院も有力な選択肢
睡眠時無呼吸症候群の治療には、歯科医院も一つの有力な選択肢となり得ます。特に離せるタイプのマウスピースは、装着感がよく、エビデンスも豊富です。費用面がクリアできれば、多くの方におすすめできる治療法といえるでしょう。