驚きの治療法!「再植」「移植」 港区新橋の歯科・予防歯科・口腔外科・審美歯科 ヘルシーライフデンタルクリニック
どうも!ヘルシーライフデンタルクリニックのブログへようこそ。
今回は怪我や病気で失った歯を戻すことができる方法についてお話します。
この方法は「再植」と呼ばれています。
なぜ歯は「戻せる」のか?
皆さんも「歯がくっつくの?」と思うかもしれません。しかし、違う人の歯をただ持ってきてはくっつかない一方で、自分自身の歯だとくっつく可能性があります。その鍵を握るのは「歯根膜」と呼ばれる特殊な膜です。
歯根膜とは?
歯と骨は直接結びついているわけではありません。実は、歯根膜という膜が歯と骨をつないでいます。この膜はコラーゲン線維のような構造で、シャーピー線維とも呼ばれます。この歯根膜の表面にある細胞が非常に重要で、その細胞がどれだけ生き残っているかが成功率に直結します。
重要なのは「時間」
細胞が生き残っている状態であれば、18分以内なら乾燥しても約60-70%の細胞が生き残っています。しかし、時間が経過するとその数は急激に減少します。30分を過ぎるともう危険な状態になります。
対策方法
歯が抜けた場合は、すぐに牛乳か生理食塩水(人体の液体と同じ浸透圧を持つ食塩水)に浸してください。それが手元にない場合は、お口の中に戻しておくという方法もあります。
再植を利用した治療ケース
病気が原因で歯を抜く場合も、再植が活用されることがあります。特に、手術でアプローチしづらい場所に病変が存在する場合は、一度その歯を抜いて病変を取り除き、再度その歯を戻すという治療が行われます。
原理を利用した手術
先ほど述べたように、18分以内には細胞が結構残っているので、その原理を利用して歯を一度抜き、手術を行い、再度その歯を戻すという方法があります。
歯の引っ越し移植:高度な技術で新たな可能性を開く
歯の引っ越し移植とは?
歯の引っ越し移植は、保存不可能な歯を抜き、その空いた場所に別の歯を移植する治療方法です。一般に、この手法でよく使用されるのは「親知らず」です。しかし、この方法にはいくつかの制約と難しさが伴います。
サイズの問題:一致するかどうか
一つの大きな課題は、抜いた歯と移植する新しい歯(通常は親知らず)のサイズが一致する必要があります。もしサイズが合わない場合、移植する新しい歯は適切に嵌まらない可能性が高いです。
細菌のリスク:待機が必要なケースも
保存不可能な歯の周囲には通常、多くの細菌が存在します。そのため、細菌を消去するために抜いた後に一週間ほど待つことが求められる場合もあります。
3Dプリンティングで解決:最先端の技術がもたらす可能性
近年のデジタル技術の進展により、CTスキャンで取得した親知らずの形状を3Dプリントすることが可能になりました。これにより、手術前に「試着」を行い、サイズや形状が適合するかを確認できます。この技術のおかげで、手術時間に余裕を持つことが可能になり、より成功確率の高い治療が可能となっています。
歯神経と歯根膜細胞
まず理解するべきは、歯を「引っ越し」させる過程で、歯の神経が切れてしまう場合があることです。歯根膜細胞(歯の周囲と骨をつなぐ細胞)は生きていますが、歯の中の神経は死んでしまうことが多いです。
注意点:複雑な根の形状
親知らずが複雑な根の形状をしている場合、根の治療が難しく、成功率が下がります。事前に親知らずの形や神経の状態を確認して、それに基づいて治療計画を立てることが重要です。
フォローアップ期間
歯がしっかりと固定されるまでには約1か月程度かかり、その後も微妙な動きをしています。この微妙な動きを考慮に入れ、大体1年間はフォローアップが必要です。
リスク要素:歯周病や細胞の死
歯の周りがしっかりと歯茎で覆われていないと、歯周病が発症するリスクがあります。また、歯の表面の細胞が病気や細菌の感染で死んでいる場合、治療が成功しない可能性が高まります。
その他の選択肢
このようなリスクを考慮すると、歯を抜く必要がある場合は、インプラントやブリッジ、義歯も選択肢として考えられます。しかし、歯を引っ越しする選択肢も一応存在するので、それを頭に入れておく価値はあります。
まとめ
今回は驚きの治療法「再植」「移植」についてお話ししました。怪我や病気で歯を失ってしまったとしても、必ずしもあきらめる必要はないのです。歯の「引っ越し」は革新的な治療方法ですが、いくつかのリスクと注意点があります。計画的にアプローチし、しっかりとしたフォローアップを行うことで、成功する可能性を高めることができます。しかし、100%の成功を保証するものではありませんので、その点を理解した上で治療を受けることが重要です。