"歯の再生力を最大限に活用:根の治療、被せ物の選択、歯周病対策の3ステップ" 港区新橋の歯科・予防歯科・口腔外科・審美歯科 ヘルシーライフデンタルクリニック
どうも!ヘルシーライフデンタルクリニックのブログへようこそ。
今日は、みなさんに
歯の根管治療の再治療リスクを下げる方法とは?
セラミックのかぶせ物を活かして歯ぐきや骨の自然治癒力を最大限に発揮する治療
についてお話したいと思います。
歯の根の治療とその重要性
歯科治療の一つに、根の治療があります。根の治療がきちんと行われ、その後歯周病の治療が完璧に進められたら、次は被せ物の設計の段階に入ります。根の治療とは、歯の根の中の神経を取り除き、その空洞を清掃し、埋めてあげるという治療のことを指します。ここでのポイントは、歯と被せ物の境界線の位置や形状を正確に作り出すことです。
歯科治療は、患者が歯を抜く必要があると思われていたような厳しい状況でも、驚くことに歯を残す可能性があるという事実を持っています。更に驚くべきは、「骨が再生する」という現象も見られるのです。
歯周病の治療と被せ物の設計
歯茎が落ち込んだ状態の患者さんは少なくありません。特に、銀歯の周りに神経がない状態の人は、歯茎が大きく下がっていることが多いです。しかし、その歯茎が再び引き上がる、つまり「歯茎が増える」ような現象が起こることもあります。
この現象を最大限に利用するためには、被せ物の設計が重要になります。天然の歯と同じような形状のカーブを作ると、歯茎の細胞が滑らかに歯に寄り添い、増えてくることが分かっています。
保険診療と自由診療の根の治療の違い
根の治療において、保険診療と自由診療の間で治療の質には差があることを理解することが重要です。保険診療で可能な範囲の材料を使用し、適切な技術で治療を行えば、十分に良い治療を受けられます。しかし、現在、世界的には保険適用外の材料が主流で使用されており、自由診療の根の治療は、骨を再生する能力が優れている可能性があります。
根の治療の精密さと配慮
根の治療は非常に精密な作業が求められます。治療中に唾液や呼吸からの細菌が治療部位に侵入することを防ぐために、ラバーダムというゴムのマスクを使用するなどの配慮が必要です。
また、根の治療では、歯の中の神経が通っている部分を清掃し、場合によっては横枝と呼ばれる神経の通り道もきれいに埋める必要があります。自由診療では、流れの良いMTAセメントという材料を使ってこれを行います。
最後に、根の治療が終了したら、次は土台を作るステップに進みます。空洞になった歯の中に柱のようなものを立てて、そのスペースを埋めていくのがそのステップです。
適材適所の治療材料:ファイバーポストの登場
かつて歯の補強材として金属が主に使用されていました。しかしその硬さが問題で、本来柔軟な歯に対して金属の硬さが強すぎるため、歯が割れることが頻繁に起こっていました。今日では、「ファイバーポスト」という柔らかくしなやかな材料が用いられます。これは歯が割れにくいように設計されているため、歯へのダメージを最小限に抑えます。
仮歯:歯周病予防の一環
補強された歯は、いわば治療の終了ラインではありません。治療後、歯の内部が細菌に晒されると再度の感染リスクがあるからです。この問題を解決するために、「仮歯」という手法が用いられます。仮歯は歯の上部をカバーし、細菌が歯の内部に侵入するのを防ぎます。
仮歯の重要なポイントは、適切な位置に設定することです。これにより、歯茎が仮歯の周囲を固め、細菌の侵入を防ぐ「バリア」を形成します。この「密閉」が、感染防止における鍵となります。
歯と人間の治癒力:驚きの再生力
仮歯を使用して治療後半年ほど経つと、驚くべき現象が起こります。以前は感染により骨が溶けてしまっていた部分が、歯が再生し、健康な状態に戻ります。ただし、これはケースバイケースで、全ての人に当てはまるわけではありません。一部の人は外科治療などの補助的な治療が必要となる場合もあります。
しかし、実際のところ、「抜歯が必要」と言われていたケースでも、適切な根の治療とこの手法を用いることで、健康な歯を保つことができるのです。これは、人間の治癒力を最大限に活用した治療法の一例と言えます。
歯科治療の複雑さと材料選択
歯科治療は、単に患部を修復するだけではありません。むしろ、それは歯茎(歯肉)の形状や状態に適応し、自然な形状を再現する高度な技術が必要です。
なぜかというと、治療は通常、歯茎に寄り添うように行われます。しかし、保険診療適用の材料を使ってこのスムーズで複雑な形状を作るのは難しいのです。
銀歯とその問題点
例えば、歯科治療で使用される被せ物には、銀歯や合成樹脂、セラミックと樹脂のハイブリッドなどがあります。特に銀歯は非常に固いため、歯をしっかりと保護するのに優れています。
しかし、銀歯を歯茎に寄り添う形で作るのは困難です。銀歯と歯茎はまったく相性が悪く、歯茎は銀歯に対して寄り添ってくれません。その結果、銀歯と歯茎の間には隙間ができてしまい、そこにはバクテリアが侵入しやすくなるのです。
また、銀歯の硬さがある一方で、接着剤の劣化や色々な要因でバクテリアが中に引き込まれやすい傾向があります。このため、銀歯にはいくつかの問題点が存在すると言えるでしょう。
ハイブリッドとセラミック:メリットとデメリット
さて、次に、ハイブリッドと呼ばれる被せ物についても触れてみましょう。これは、セラミックと樹脂の間に位置する材料で、いわば両者の「ハイブリッド」です。銀歯に比べて歯茎に寄り添いやすいという特性がありますが、その精度はそれほど高くはありません。また、特に前歯などの複雑な形態を再現する際には難しさがあります。しかし、ハイブリッドは保険診療適用の材料として使われることが多いので、その点で一定の役割を果たしています。
それに対して、セラミックは歯と同じくらいの硬さを持つことが可能で、ジルコニアと呼ばれる材料を使用すれば、歯よりも固い被せ物を作ることができます。つまり、セラミックは歯の耐久性を高めるのに役立ちます。ただし、ハイブリッドと比較して製作コストは高くなります。
歯の被せ物の選択肢
さらに、歯科治療では他にも選択肢があります。メタルボンドと呼ばれる手法では、薄い金属のバッキング(裏打ち)に陶材を焼き付けて被せ物を作ります。これも歯科医師の裁量によって使用されることがあります。
ただし、どの方法を選択するにせよ、一番重要なのは、歯茎との「相性」です。つまり、歯茎と「仲が良い」陶材やセラミックを使うことで、歯茎を「ビシャっと蓋をする」ことが可能となります。これにより、歯茎が元に戻り、天然の歯だった時のような見た目を取り戻すことができます。
根の治療と歯周病の治療:歯の健康を保つ3つのステップ
これらの知識を踏まえて、再度、根の治療について触れてみましょう。根の治療と被せ物の作り方、そして歯周病の治療。これら3つを行うことで、歯の健康を維持することが可能となります。
根の治療が必要な状況は、病状が進行している場合や、何度も同じ歯が治療されている場合など、患者さんごとにさまざまです。しかし、「なんで私、治療されてるの~?」と感じる方、また「抜かれるって言われちゃったんだけど、どうすればいいの~?」と感じる方も少なくないでしょう。そのような時に、根の治療は救世主的な役割を果たすのです。
まとめ:歯の治療と再生力
歯科治療の目的は、患者さんの歯を健康に保ち、長く使える状態にすることです。そのためには、歯茎が寄り添い、歯が再生する力を最大限に活用することが必要となります。歯茎がド~ンっと下がって、色も黒く、歯の根が黒く見えていたようなケースでも、適切な治療によって歯茎が再生し、天然の歯だった時のような見た目を取り戻すことが可能です。
私たちは、このような現象を目の当たりにしてきましたし、多くの学術的な発表からもその効果を確認しています。一部を抜粋してお伝えしましたが、「歯を抜かなきゃいけない」と言われて悩んでいる方、または同じ歯を何度も治療されている方にとって、この情報が参考になれば幸いです。
皆さん、まだ諦めないでください。体の治癒力を信じ、その力を最大限に活用していきましょう。そして、健康な歯を長く保つために、適切な治療を受けることをお勧めします。