乳歯の見え始めから始める子供の歯磨きと食事法 港区新橋の歯科・予防歯科・口腔外科・審美歯科 ヘルシーライフデンタルクリニック
今日はまだ小さなお子さんをお持ちのパパ、ママたちに向けて、お子さんが乳歯が生え始めた頃から歯磨きを始めるタイミングや方法について話していきたいと思います。
Q1: 子供はいつから歯磨きをしたらいいですか?
まず、子供が歯磨きを始めるべきタイミングについてです。乳歯(子供が生まれて初めて生えてくる歯のこと)がお口の中に見え始めた頃から、少しずつ歯磨きを始めると良いとされています。
Q2: 歯磨きをさせてくれるものなの?
歯磨きをさせてくれるかどうか、という問題については、私自身が一歳三か月の子供の父親として経験していることをお伝えしましょう。実は、なかなか子供に歯磨きをさせてもらえないんですよね。私の息子も歯ブラシに対しては、ただただガシガシと噛むだけ。指を口に入れても、すぐにガブッと噛んでしまいます。
Q3: そしたらむし歯にならないですか?
歯ブラシだけでの歯磨きが難しい場合、歯磨きナップ(歯を拭くための一枚ものの布)を使用すると良いです。歯磨きナップには、甘味料が付着していて子供も嫌がりません。こういったナップを使って、子供が噛む前の一瞬を見計らって歯を拭きましょう。
なお、むし歯が最初にできる場所は、大抵上の前歯です。なので、歯科検診の際には、まず最初に子供の上の前歯をチェックします。歯磨きをさせてくれない子供でも、ナップを使って上の前歯だけでもしっかりと拭くことをおすすめします。
さて、歯磨き以外でむし歯を防ぐためにできることとは何でしょうか?その答えは、お子さんが食べる食事です。食事の選び方や、与え方によって、むし歯のリスクを低減することができます。さらには、食べる能力や食べ物に対する理解も育てられるのです。
人間が歯を磨かずに済んでいた時代があると言われています。それは、火の発見以前、つまり加熱調理が始まる前です。柔らかく調理された食材は歯に付着しやすく、結果的にむし歯を作りやすくなります。したがって、食材の選び方によって、子どもの口腔内環境をコントロールすることが可能となります。
例えば、炊きたてのお米は問題ありませんが、「単糖類」という、白砂糖などの糖分を多く含む食品は注意が必要です。単糖類は、歯の表面の硬い部分(エナメル質)を溶かし、むし歯を作る原因となります。市販のジュースや加工食品、そして白砂糖を使った料理などには単糖類が多く含まれています。
手づかみ食べ:食べる力を養う
食べる力や、食事に対する理解を育てるために、私は息子に「手づかみ食べ」や「丸ごと食べ」を奨励しています。この種の食事方法は、歯並びにも良い影響を与えると言われています。フォークやスプーンを使ってきちんと食べられる方が良いと思うかもしれませんが、子供が自分で食事をする力を養うことも重要です。
それは、大きなイチゴを丸ごと食べるような経験を通じて学ぶことができます。食べ物を自分の手で掴み、それを口に運ぶ。この一連の動作が、食事への理解と食べる力を育てるのです。
私たち大人が子供のために食事を細かく切り分けることは、その場では便利かもしれません。しかし、それは子供の食べる力を養うチャンスを奪うことにもなります。食事を自分で食べることができなければ、最終的には歯並びが悪くなったり、むし歯ができたりする原因にもなります。ですから、私の戦略は「できるだけ原始的に、手づかみで食事をする」ことなのです。
ストローと食器を避ける:飲む力を養う
さらに、飲み物に関しても考慮する必要があります。特に、子供がどのように飲み物を摂取するか、という点です。ストロー、スプーン、フォークなどの便利な食器を用いることは、一見、子供にとって飲みやすく食べやすい方法に思えます。しかし、これらの食器を使うことで子供が自然に身につけるべき「飲む力」が十分に養われない可能性があります。
なので、我が家の戦略としては、子供ができるだけコップで直接飲むようにしています。この方法で、子供は自身の口腔機能を使って飲む技術を学びます。そして、それは同時に唾液の分泌を促進し、口腔内の清掃効果を高めることにもつながります。つまり、むし歯予防に対する自然な防衛メカニズムを養っていくのです。
食べ物の種類と食べ方の重要性
私が子供の歯磨きについて語るとき、必ず強調したいポイントがあります。それは、「歯磨きの方法」よりも「食べ物の種類」や「食べ方」が重要である、ということです。歯磨きはもちろん大切ですが、食事の種類や食べ方によって口腔内環境が大きく左右されます。そのため、我が家では食事の内容や食べる行為そのものに対する意識を高めています。
手づかみ食べを奨励することで、子供は食べ物と直接触れ合い、食べる行為に対する理解を深めます。これは、食事の満足感を高め、適切な食事習慣を形成する上でも非常に有効な方法となります。
まとめ
単なる歯磨きの方法にとどまらず、食事の選び方、飲み物の摂り方、食事の行為そのものを見直すということが重要です。子供が口腔内の健康を維持し、食事に対する理解を深めることを目指しています。