「なぜ歯を抜かなければならないのか?」-歯周病の解説と対策 港区新橋の歯科・予防歯科・口腔外科・審美歯科 ヘルシーライフデンタルクリニック

2023/07/13 ブログ

 

どうも!ヘルシーライフデンタルクリニックのブログへようこそ。

 

今日は、歯周病という病気について詳しく解説していきたいと思います。この問題について真剣に考える人も多いはずです。「何で人は歯を抜かなきゃいけなくなる?」その主な理由は、歯周病です!

 

歯周病とは?

日本には約9000万人という驚異的な数の人々が何らかの歯茎に問題を抱えていると推定されています。その主な原因となっているのが、成人の約8割に発症すると言われる歯周病です。これは世界的にも広い人種にわたって発症している、まさに"普遍的な病気"なのです。

 

歯周病が起こるメカニズム

では、なぜ歯周病は起こるのでしょうか?これはまだ完全には解明されていない問題ではありますが、一般的には『プラーク』と呼ばれるバイ菌の固まり、つまり食べかすが関係しています。食べかすが72時間放置されるとバイオフィルム(バクテリアが生成する保護膜)になり、歯の表面にこびりついてしまうのです。

このバイオフィルムは、歯ブラシで磨いてもなかなか取れない状態になります。これがバリアとなって菌を守り、免疫が反応して体が炎症を起こし始めるのです。それが進行すると歯茎から血が出始めて歯茎が腫れぼったくなり、更にバイ菌が侵入しやすくなる状態になります。

体はバイ菌と戦う場を作ろうとして骨を壊しながら戦闘領域を広げていくため、結果的に歯の周りの骨がだんだん減ってきてしまいます。その結果、歯がグラグラと揺れ動き、最終的には抜かなければならなくなるのです。

 

歯周病の予防と対策

このような事態を防ぐには、日頃の歯茎の強さ・骨の強さ・質を保つことが重要です。さらに、バイ菌のレベルでは歯ブラシで取れないバイオフィルムに対しては、専門的に除去する必要があります。これを定期的に行うことが歯周病の予防につながります。

ただし、それが終わっても歯茎から血が出てしまう人もいらっしゃいます。そのような場合、体の側から原因が来ている可能性もあります。鉄分の不足等で歯茎が脆弱になっている可能性も考えられます。

 

歯周病で歯を失った後の対策

歯周病で歯を失ってしまった場合、骨が溶けて少なくなっているため、その後インプラント(人工の歯根)を入れる場合でも、まずは骨を足す手術を行う必要があります。また、全ての人がインプラントが可能なわけではなく、場合によってはブリッジ(隣接する歯を利用した補綴)や入れ歯という方法で補わなければならない場合もあります。

入れ歯については、適切に装着できる場合は安定しますが、全ての歯がない状況下での一部の歯のみの入れ歯は安定しにくく、動きやすい状況になります。そのため、入れ歯を安定させるためには、短くて太いインプラントを入れる方法もありますし、または入れ歯を大きくすることもあります。

ブリッジについては、隣が抜けてしまったけれども他の二つは歯がある状況で用いられます。こちらも注意が必要で、天然の美しい歯を全部削って被せ物にしなければならないため、歯がもったいないし、虫歯になりやすくなる可能性もあります。ブリッジを作る場合は、汚れが溜まりにくいセラミックなどの素材をおすすめします。

 

インプラントやブリッジ:歯周病で失った歯の解決策

あなたが歯を失ってしまった場合、再生するための選択肢としてインプラントがあります。しかし、インプラントには骨が必要なため、歯周病によって骨が十分に残っていない場合は、骨を追加する手術が必要となることがあります。それが難しい場合は、他の解決策を考える必要が出てきます。

解決策1

ブリッジや入れ歯がその一つです。入れ歯に関しては、状況によります。もし歯がある両脇に入れ歯がうまくはまる場合、それは安定した選択肢になります。しかし、後部の全ての歯がなく、入れ歯が一つだけで他が全て入れ歯になると、入れ歯は魚のヒレのように動きます。そのような状況では、入れ歯を安定させるために短くて太いインプラントを入れることがあります。また、歯のない側の逆側まで入れ歯を拡大し、3箇所ほど金具を作ることで、より強固な入れ歯を作る方法もあります。

 

解決策2

ブリッジという手段もあります。これは隣の歯が抜けてしまったけれども、その周囲にはまだ歯が残っている状況で考慮されます。しかし、ブリッジを使用すると、その周囲の健康な歯を削って冠を付ける必要があるため、歯がもったいなくなります。また、エナメル質(歯の最も外側の層)が削られると、むし歯になりやすくなります。そして、ブリッジが繋がっている部分はフロスなどで清掃することができないので、汚れが溜まりやすく、再び歯周病になりやすくなります。

 

一人でも多くの人に知ってほしい:歯周病

歯周病は、非常に多くの人々が罹患する病気です。特に日本では約9000万人が何らかの形で歯周病を経験していると推定されています。それは、人気のメッセージアプリ「LINE」のユーザー数8600万人とほぼ同じです。つまり、ほとんどの人がLINEを使っているように、ほとんどの人が歯周病に悩まされているということです。

 

歯を失った後の対策は、大変な作業になります。そのため、早めの対処が非常に重要です。あなたが歯茎に何らかの問題を感じたら、専門家に相談することをお勧めします。それが歯周病の発症を防ぐ第一歩になるのです