歯の根管治療はなぜ再発する?治療し終わったはずなのになんでまた痛くなるの?新橋の予防歯科・審美歯科・矯正歯科・口腔外科 ヘルシーライフデンタルクリニック

2023/06/27 ブログ

こんにちは!私は手塚充樹と申します。歯科医師・歯学博士です。よろしくお願いします!本日は、私たちの歯科クリニックのYouTubeチャンネルで再生数が最も多い動画、「根の治療をなぜ行わなければならないのか?」についてお話しします。

当院では日頃、口の健康とお体の健康両方に対して働きかけられるような予防歯科に力を入れています。

今回のお話は歯の根管治療のお話ですが、歯の根管に起きている細菌感染が心臓の病とも関わっていることを示唆するような報告まであるくらいに、お体の健康とも密接に関与しています。

歯の状態を健康に保つことは、将来の体の病気の予防リスクを下げることにつながりますので、そのような観点でも今回のお話を読んでくだされば幸いです。

 

なぜ一度治療した歯を再治療しなければならなくなる?

この動画では、一度治療を終えて神経を取り除いた歯が再び痛むことがある理由について疑問を投げかけました。この状態には私自身も驚いており、この問題で悩まれている方が多いことを知りました。動画は7万回以上再生され、多くの反響を呼んでいます。ぜひ「根の治療をなぜ行わなければならないのか?」というテーマの動画をご覧いただければと思います。

根の治療を適切に行い、その後は歯周病の治療をしっかり行い、被せ物の設計に移るのが重要です。歯との境界線の位置や形状などを適切に調整することで、従来は抜歯をしなければならなかった厳しいケースでも、実は歯を残すことができる場合があります。驚くべきことに、骨が再生し復活することもあります。また、例えば銀歯の周りに神経を取り除かなければならない状態の方々は、歯茎が下がることが多いですが、歯茎を引き上げるイメージで治療を行うことで、本来の奥歯と同様に歯茎が寄り添ってくることがあります。

これらの現象を上手に利用することで、実は歯茎を増やすことも可能です。私はこのような事実を伝えたいと思って、現在動画を撮影しています。根の治療方法について、保険診療で行われるクオリティと自費診療で主に行われるクオリティには少し違いがあります。保険診療では、限られた材料を使用して技術的にしっかりと治療することができますが、自費診療では外れる可能性のある材料を使用することで、骨を再生させる能力に長けている可能性があります。これにより、根の治療の際には自費診療がより適している場合もあります。

根の治療には、非常に精密な作業が必要です。例えば、治療中に唾液や呼吸などから菌が侵入してしまう現象が起こることがあります。そのため、現在ではラバーダムと呼ばれるゴムのマスクを使用するなど、最低限の配慮をしながら根の治療を行っています。

根の治療は、歯の神経が通っている部分を丁寧に清掃する作業です。一部の場合では、神経の通り道に横に伸びる枝状の経路が存在することもあります。これらの経路をきれいに埋めることが必要です。自費診療では、MTAセメントなどの流動性のあるセメントが横の枝にうまく入り込むとされています。このような形で根の充填を行った後、空洞部分を埋めるために柱のようなものを設置します。現在は、樹脂やファイバーポストといった、歯よりも少し柔らかくしなる材料を使用することが一般的です。過去には金属の柱がよく使われていましたが、歯の硬さとの不適合により歯が割れることが多かったため、最近では柔軟性のある材料を使用する傾向があります。

最後に、根の治療後には仮歯を設置することが重要です。この仮歯は、菌が再び侵入しないようにしっかりと保護する役割があります。仮歯を作る際には、土台となる部分をしっかりと覆うことが求められます。仮歯の材料や作り方によっては、歯と材料の境界が目立たないようにすることも重要です。これにより、仮歯を設置することでばい菌の侵入を防ぎます。

以上が、根の治療についてのステップと注意点になります。根の治療は非常に重要であり、慎重に行う必要があります。

仮歯の位置は非常に重要です。仮歯を作る際には、歯茎がしっかりと被せ物に寄り添うような形状を想定して作成します。「歯茎が寄り添ってきてくれるように!」といった感じですね。ざっくりとした説明で申し訳ありませんが、このようにすることで歯茎が仮歯にピッタリとフィットするようになります。そして、上から見ると仮歯で全体が覆われているため、境界線が隠れてしまいます。つまり、口の中にさらけ出されず、仮歯で覆われている部分ではばい菌が侵入しにくくなるという利点があります。

この状態で長期間(半年程度)仮歯を使用することもありますが、過去の経験から、仮歯の下にある骨が溶けてしまっているケースが多いことが分かりました。こういった状況では、骨が大きく溶けてしまった後、ばい菌の量を極端に減少させて体が治りやすい状態を作るために、消毒が行われます。その結果、赤く書かれた部分で骨が作られて治癒してくることもあります。ただし、ケースバイケースであり、必ずしも全ての方が改善するわけではありません。時には外科的な治療を併用する必要がある場合もあります。しかし、実際には、抜歯を避けることができず、骨がほとんどない状態の歯を根の治療を行い、このような手法でアプローチすることで問題なく歯を使っている方も存在します。私自身も、骨が驚くほど再生したという方に出会ったことがあります。人間の治癒力をサポートする治療法として、歯を救う方法があることを伝えたいと思って、現在動画を撮影しています。

「なぜ自費診療で勧められるのか?」や「なぜ保険診療ではできないのか?」といった疑問を抱かれる方も多いと思います。この治療に関しては、歯茎に寄り添う形状で設計する必要がありますが

保険診療の範囲で使用できる材料では、スムーズかつ複雑な形状を作ることが難しいのです。たとえば、被せ物として銀歯や合成樹脂ハイブリッドが一般的ですが、銀歯は歯茎との親和性が低く、下がりやすい傾向があります。むしろ、銀歯を歯茎にピッタリとはめ込むことはできません。また、銀歯は歯に対して硬すぎるため、接着剤の劣化などの問題が起こり、再びばい菌が侵入しやすくなる場合もあります。同様に、ハイブリッドも非常に複雑な形状を作ることは難しく、特に前歯のようなS字のカーブなどの部分を再現することはできません。一般的に、歯と被せ物との境界線は歯茎よりも上に設定されるため、歯茎で完全に覆われたバリアを利用することはできません。

そのため、仮歯の段階では、歯茎のバリアを利用することができても、完成品ではその利用ができなくなる可能性があるため、「なぜもう一度治療を受ける必要があるのか?」という状況が生じることもあります。また、保険診療の範囲では、材料の硬さが歯の2/3程度しかないため、歯を割るリスクもあります。一方、セラミックには、歯と同等の硬さのものや、やや硬いジルコニアなどの材料があり、患者さんの状態に応じて適切な選択ができます。

以上が、なぜこの治療が自費診療で勧められるのか、なぜ保険診療では難しいのかについての説明です。

さて、最後には昔から行われている方法で、金属のバッキングの上に陶材を焼き付けて作るメタルボンドや陶材焼付冠といった方法があります。ただし、このような方法は担当の歯科医師の判断や状況によって適応されることがありますので、柔軟に対応していただく必要があります。

しかし、確かに言えることは、この歯茎のバリアが非常に重要だということです。「歯茎でピッタリと覆い隠す」「歯茎を増やす」「減った歯茎を回復させる」といったことができるのは、歯茎と相性の良い陶材やセラミックなど特定の材料です。そのため、シビアなケースでは「なぜ私は治療を受けなければならないのか?」や「抜歯を勧められたけど、どうしたらいいのか?」といった状況になることもあります。このような場合、根の治療と被せ物の作り方、そして歯周病の治療が重要な役割を果たします。これらの治療を適切に行うことで、歯を保持し、まだまだ使える状態にすることができます。また、銀歯の周りの歯茎が下がり、黒ずんで歯の根が見えていた場合でも、歯茎が元の状態に戻り、天然の歯のような見た目も取り戻せます。

今日は、再生数が多い根の治療に関する動画や、私自身が目の当たりにしてきた実績、他の先生方の学術的な発表を元に、この治療に関しての一部を抜粋して紹介しました。皆さんの感想はいかがでしたか?カメラの裏に人がいることは気づかなかったかもしれませんが、私は撮影前と後の写真を見せていただきました。本当に驚きました!歯茎が歯にピッタリと寄り添い、再生している様子を見て衝撃を受けました。「これが治療の成果だ!」という写真を見ることで、理解しやすくなると思ったのです。人間の治癒力は本当に素晴らしく、体の構造を理解し、それを逆手に取った歯科治療を行うことで体をサポートすることができるのです。日々、その素晴らしさを感じています。みなさん、決して諦めずに自身の体の治癒力をサポートしてあげれば、何とかなる可能性があります。ですから、ぜひとも歯を長く健康に保つために参考にしていただければ幸いです。

さて、今日は以上です。読んでいただきありがとうございました!