あなたの噛める年齢は?健康寿命に不可欠な噛む力。咀嚼機能検査について。東京都港区新橋の歯科ヘルシーライフデンタルクリニック
どうも歯科医師・歯学博士の手塚充樹と申します。
今日は「口腔機能低下症」というものについてブログを書きたいと思います。
お口の中の機能が低下してしまうと食べ物を食べても残りやすくなってしまったり、消化できていないものが胃に流れ込むことで胃に負担がかかったり、腸内で吸収されない、または腸管粘膜の状態が荒れていれば吸収されてほしくないものまで体の中に入ってきてしまうこともあります。
口の不調➔胃の不調というサイクルがうまれると、胃がもたれるのでタンパク質や脂を含むものを避けてしまって摂取量が下がったり、元気がなくなってきてしまったりします。
胃は、ビタミンB12、亜鉛、鉄分、マグネシウムなどの栄養吸収に関わります。ビタミン B 12やマグネシウムの吸収が落ちるために眠りの質が低下したり、貧血傾向になったり、ビタミン D の働きも悪くなってきて免疫機能が低下したり、様々な体内環境の悪化につながるということが示唆されます。
よく噛めない状態も、胃の消化を悪くする原因になります。
お口の中でなるべく長い時間、しっかり咀嚼することで胃が消化するための準備をさせてあげることができます。
今回はその中でも咀嚼機能といって、食べ物を噛むための機能がちゃんと備わっているかどうかを調べる簡単な検査について紹介します。
検査は20秒間噛んでもらうことで測定ができる検査なのですが、測定の仕方については動画で解説してますのでよかったら見てみてくださいね。
この検査のメリットには以下のことが挙げられます。
1.食べ物を咀嚼する能力があるかどうかを今までは、食べられる食材を聞いたり、患者さんの主観的な話で探るしかなかったが、この検査で数値化できる。
2.矯正治療するかしないかを決定する参考に。歯並びやかみ合わせが気になる場合には、咀嚼して栄養素を体に取り込めているかどうかが一つの大きな判断基準となるため、その参考にすることができる。
3.インプラントをしたり、よりよく噛める治療を行った方がよいかどうかの参考に。
4.新しい入れ歯に作り直した方が良いかどうかの参考に。
5.むし歯や歯周病の治療を行った方が良いかの参考に。(片方でしか噛めないという方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。)
上記、思いつくだけでも5つはあがりましたが、これ以外にもあると思います。
ポイントは、高齢に差し掛かって、体全体が弱くなってしまうのを防ぐため、今のあなたの噛める能力、「噛める年齢」を」知っておくことは大事です。
高齢になって、いくつかの歯を失ってから、元の状態に噛める能力を戻すには、インプラントなどの治療が必要になることが一般的ですし、費用も時間も労力も使います。
予防医療の側に立って、濃厚で充実した健康寿命を送れるよう、口の機能も質を高めておくことが望ましいと思います。