唾液検査や栄養管理指導によって健康になっていく
どうも、歯科医師(歯医者)の手塚充樹です。
歯科医療と健康寿命延伸をつなげるため東京都港区新橋の新橋駅・内幸町駅徒歩2分の位置にヘルシーライフデンタルクリニックを令和元年9月に開設いたしました。
体の健康も守る歯医者さんとして日々診療しています。
昨年から歯科医療を行っているので、徐々に唾液検査などの検査をされる方も増えてきたということと、2回目以降の検査をおこなって前回との比較をする患者様が増えて参りました。
唾液と体が何の関係があるのか、よくわからない方もいらっしゃるかもしれません。
唾液検査によって、口腔細菌の総数(アンモニア)、むし歯の原因菌の活発度、唾液の酸性度、唾液の緩衝能(酸性な環境を中和する力)、唾液中の白血球、タンパク質などがわかります。
唾液検査の結果で、むし歯のなりやすさや歯周病やその他の炎症の状態を簡単に知ることができるというのもひとつの大きな目的です。
当院においては、健康寿命延伸に働きかける歯科医院を目指しているため、単に唾液検査の結果をみてお伝えするだけではなく、普段の生活や食習慣なども照らし合わせてご指導させていただいております。
ある患者様は、新型コロナウィルス感染症の流行以前から、家の中にこもることが多く、運動をしたり外出をすることが少ない状態でした。
実は、人は、寝たきりや活動が少ない状態のときのほうがタンパク質の需要が高まる(必要となる)ことがわかっていて、それが意外な事実だと思います。
サプリメントをすでに服用されている方だったのですが、食事の内容が少なく、タンパク質の摂取量が少ないことがわかりました。
唾液腺の栄養素としてタンパク質も非常に重要な栄養素となります。
また、タンパク質が豊富に供給されている状態だと、体のアミノ酸プールが豊富になるので、タンパク質を壊す作業(異化)よりも作る作業(同化)が活発になってくれる可能性が高まります。
タンパク質をつくる「同化」という工程が完了すると、「水」ができます。
お口が渇きやすい方にも重要な事実です。
赤ちゃんの肌がプルプル・ぴちぴちしているのは、同化が盛んにおこなわれていて、水が豊富だからともいわれています。
そのため、唾液検査の結果からお口の中の乾燥が疑われたり、緩衝能(中和する力)が弱いために唾液の分泌量を増やした方がよいと考えられる場合もあります。
消化力が弱かったり胃酸の出が悪い方は、お肉と一緒に消化酵素を服用するようにしたりします。
吸収が良い、アミノ酸の状態で摂取することもよいと思います。
患者様のお話に戻りますが、その方は、家に長くいてこもっているときは日光を浴びないのでビタミンDを服用するようにしたり、毎日アミノ酸やプロテインを服用しているそうです。
予防の世界では「行動変容」といって、患者さんご自身の行動が良い方向に変化することが、生活習慣に非常に大事であると考えられています。
唾液検査をきっかけに患者さんが栄養としっかり向き合うようになり、行動変容が起きることもあるので、ぜひ他の患者様にも楽しんで唾液検査を受けていただきたいと考えています。