歯周病治療・予防歯科・審美歯科を一つにつなげる考え方。全身への予防医療。

2019/12/05 ブログ

歯周病の治療と美しく長い健康寿命との関わり

 

歯科医師の手塚充樹です。

 

新橋駅・内幸町駅前徒歩2分の位置にあるダイワロイネットホテル新橋の地下一階に令和元年9月よりヘルシーライフデンタルクリニックをオープンいたしました。

 

同フロアには、内科・神経内科・整形外科・皮膚科・アレルギー科などが併設されており、幅広く患者さんの悩みに対応できるエリアとなっております。

 

今回は、歯周病治療と予防歯科・審美歯科をつなげ、全身の予防医療へと拡がる内容についてお話したいと思います。

 

歯周病の治療ってなんだ?

 

歯周病は成人の8割の方がかかっているといわれている病気です。

そもそも歯周病に自分がなっているかどうかもよくわからなかったりしますよね。どうしたら診断できるんでしょうか。

 

歯周病の精密検査やエックス線写真で診断をするとわかる

歯周病の検査をすることでまず「診断」をすることが重要です。

 

歯周病の場合、歯によって診断名が変わる特殊な病気

 

そもそも、お口の中に生えている歯というもの、よく見るとどれも形が違います。

 

それぞれの歯に役割や個性があるからです。

前歯は比較的鋭利な形をしており「切歯 せっし」という名前がつきます。この歯はその名の通り「切るための歯」なので、長細い麺類やじゃがりこやポッキー、野菜スティックなどを切る用途で使います。

 

奥歯に向かっていくとだんだん、歯が大きくなり、丸型から四角形のようになりますよね。

 

奥歯は「臼歯 きゅうし」という名前がついており、その名のとおり「臼の歯」ですので、食べ物を臼のようにすりつぶすことが主体となります。

 

そのため、「そばが食べにくい」「そばがかみ切れない」という場合には前歯がかみ合っていなかったりなどの問題があることが多いです。

 

「肉が食べにくい」という場合には奥歯に問題がある可能性が高いでしょう。

 

 

歯並びや歯の大きさの違いにより、歯周病になっているところとなっていないところができることも多い

 

そのため、歯周病検査をして、歯の全周の歯周ポケットの深さや出血のしやすさからどの歯にどの程度の炎症があるかどうかを診断することが重要です

歯周病治療の流れ

写真に示したように進めていきます。

よく歯医者さんにいっても回数がかかったり、なかなか良くならなかったりするなどの声を耳にすることがあります。

 

歯周病の診断をまずしてあげて、適切なアプローチを時間をかけてしっかりやってあげることが大切です。

食べ物の食べ方、たばこを減らすもしくは禁煙する、歯みがきの仕方についても知識をつけていただくことも効果的です。

検査・診査で状態をまず把握して、原因になっていると思われるものを除去していく

単純ですが、意外と一番大事で近道です。

 

検査や診査なしにいきなり全体をクリーニングだけしていても、思わぬ見逃しにつながることもあります。

 

定期健診に通っていたはずなのに、1か所の歯周病がひどく進行していた。

 

とか、「むし歯が進んでいたのに気づかなかった。」など。

 

 

歯周病がなぜ全身に対して影響してしまうのか

菌血症という現象があります。

歯ぐきから出血すると約70秒で上腕の静脈まで口腔内細菌がきていたということが確認されています。

 

普段の歯みがきでも、歯ぐきから出血をすれば全身に口腔内細菌が拡散しているということです。

細菌が血管のなかに侵入してくると、体の免疫機構が働いて、菌を退治します。

 

全身で炎症が起きてしまう

しかしながら、菌を退治する際に「炎症」が起きるため、これがよくないのです。

 

アルツハイマー型認知症の原因物質アミロイドβを作ってしまう

また、近年、歯周病原因菌が血液脳関門を破り脳へ侵入し、ジンジパインという毒素を出してアルツハイマー型認知症の発症の原因となるアミロイドβをつくるという可能性も示唆されています。


 

体の糖化現象AGEsとの関連

また、体の糖化現象というものが血管の閉塞性疾患など健康寿命を左右するような病気の発症と関わっているということが明らかになってきています。

メイラードという化学者(じつは腎臓内科医さんだったそうです)をしていた方が、糖とタンパク質がくっつく反応を発見。

メイラード反応と呼ばれています。

ちなみに、メイラードさんは糖化反応について研究を続けていればさらに素晴らしい功績を残されていた可能性が高かったそうなのですが、戦争の影響でトラウマが強く残り、アフリカへ移住してしまったため、糖化反応の研究をストップせざるを得なくなってしまったそうです。

 

この糖化現象によって発生した物質は最終糖化産物と呼ばれ、「ヒトは糖と共に老いる」ということで、AGEs(Advanced Glycation Endproducts, エイジス, エージーイー)という名前がついています。

 

これは体の中の糖とたんぱくがくっつく糖化現象によって生まれる産物ですので、一般的には高血糖な時間が長いと沢山出来てしまうのですが、、実は「炎症」そのものもAGEsを作ることがわかっています。

 

そして、血管の中で起きている「炎症」そのものが血糖値のコントロールをしにくくするということも分かっていますので、炎症そのものがAGEsをつくり、血糖値のコントロールを悪くし、その結果またさらにAGEsが産生されるという恰好になります。

 

歯周炎は、歯ぐきの部分的な炎症だけではなく、全身の炎症も引き起こし、血糖値のコントロールを悪化させ、AGEsの産生を促し、その他アミロイドβなどアルツハイマー型認知症の原因と考えられているタンパク質の産生も促すということです。


 

美しい口元が美しい人生をつくる

結論、炎症やAGEsをためない綺麗なお口をつくることが、美しく長い健康寿命へつながると考えます。

 

AGEsという負の貯金を貯めない「食し方」「食べ物の選び方」などもとても重要です。

 

そういった食し方やお口の中の炎症を抑えることが、結果的に仕事のパフォーマンスを上げたり、スポーツのパフォーマンスを上げたり、ハッピーで楽しい人生になってきますので、皆様も美しいお口に整えましょう。