アルツハイマー型認知症予防に歯科ができること 健康寿命延伸型歯科医院ヘルシーライフデンタルクリニック 新橋駅 予防歯科 口腔外科 歯周病

2019/11/07 ブログ

今回もお読みいただきありがとうございます。

 

今回は認知症と歯科、特に歯周病との関連について記述します。

 

認知症の中でも、「アルツハイマー型認知症」と呼ばれるタイプの認知症があります。

 

この疾患は、脳内にアミロイドβというタンパク質が蓄積することが関連しているといわれています。

 

アミロイドβという物質は、体の中で毒素がたまったり、炎症があったり、脳に必要な栄養素や分子が不足していたり、睡眠不足で脳が休息を得る時間が無かったりした場合などに蓄積すると考えています。

 

今回は、そのようなアミロイドβと歯周病(炎症なので以降歯周炎と呼びます)、脳内の細菌が引き起こす炎症についてのお話です。

脳内に菌が?

 

脳の中に菌が入るなんて考えたこともなかったかと思います。

 

脳と体の血管の間には、「血液脳関門」という関門が設けられており、血管内にある体にとって悪い物質はそう簡単には脳の中に侵入できないようにフィルターになっています。

しかし、なぜそれなのにお口の中の歯周病が脳内と関係があるんでしょう。

 

そもそもまず血管の中に菌が入るの?

 

入るんです。歯ブラシをしているときなどに出血した場合でも、お口の中に約100億個も存在しているといわれる細菌が破れた血管の中に侵入します。

 

この事実は、お口の中で、血が出るようなクリーニングをした際に、腕から採血をし、その血液を培地で培養したところ、口の中にしか存在しないはずの常在菌が検出されたという研究で明らかになっています。

 

そして、その血管は当然全身につながっていますので、血液脳関門の方へも到達します。

 

血管の中に菌が入ったあと、菌が毒素を出す

 

歯周病原因菌や腸内細菌叢の中には、「内毒素」という毒素を持っている菌がいます。

 

別名「LPS リポ多糖 Lipopolysaccharide」といいます。

 

この内毒素が血液中にあると、血液の中の白血球などの免疫を担当する細胞が反応します。

その際に発生するシグナルが、体のいたるところで発生し、血糖値のコントロールから肥満から血管の病気から早産から、、解毒の邪魔など、、、いろいろなことに関わっていることが分かってきています。

歯周病原因菌のPorphyromonas Gingivalis(通称P.g.菌)という菌が出す特徴的な毒素がある

世界的にも権威のあるScienceという論文に掲載された文献があります。

 

歯周病の原因菌として知られるP.g.菌がもつ「ジンジパイン」という毒素が脳内で、アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβというタンパク質の産生を増加させたというのです。

また、このP.g.菌については血液脳関門を突破することがわかっております。

さらに、このジンジパインという毒素を阻害する物質をマウスに投与してみたところ、アミロイドβの産生が抑えられて、結果的に脳神経の炎症も治まったという結果が出ています。

その結果を受けて、論文の著者らはジンジパイン阻害剤ということで薬剤の製造へつなげることを考えているかと思います。

ジンジパインを阻害する薬に頼るよりも、P.g.菌を退治するために歯周病治療を

歯科医院で、歯周病の精密検査を行ったり、P.g.菌がいるかいないかを調べる検査をすることもできます。

歯周病菌DNA検査といって、痛みなく簡単に検査をすることができます。

 

ジンジパインという毒素を阻害するのではなく、毒素を産生している原因菌そのものを叩いた方が良いと思いますので、まだ運動機能などが正常で歯科医院に通院できるうちにしっかりP.g.菌のケアをしていきましょう。

 

認知症が歯周病へつながっていることだけでも衝撃的な事実かもしれませんが、まだまだ歯周病からつながる病気は山ほどあります。

 

健康寿命延伸型歯科医院ヘルシーライフデンタルクリニックとしては、歯周病の治療から皆さんのお体の健康につなげたいと考えています。

 

あまり、自覚症状がなく、認識しづらい事実ではありますが、きっと今後、体や脳のケアにお口のケアをする必要性が知れ渡ることでしょう。

 

今のうちからケアしているあなたは、人生100年時代を健康寿命の割合が長く過ごしていける、勝ち組かもしれませんね。

 

今日も読んでいただきありがとうございました。


手塚 充樹  Mitsuki Tezuka

歯科医師 博士(歯学) D.M.D. Ph.D

ヘルシーライフデンタルクリニック 院長